直葬(ちょくそう)というものをご存知でしょうか。直葬とは、葬式を行わず、火葬だけ行うものです。家族葬では、葬式を行うことがありますし、密葬ではその後本葬を行うこともありますから、これら2つとは、別ものですね。
この直葬は、都心のある業者によると3割を超えたとも言われるくらい増えています。増えている背景には、やはり「寺離れ」があるようです。核家族化が進み、親族との関わり、知人との関わりが共に薄くなる中で、お寺の墓にこだわらなくなってきたのだと思います。
さらに、檀家が減ることにより、寺の経営に熱心な住職も増えてきているようで、お金の話ばかりされて嫌気が差したという話もあります。例えば、檀家の方の檀那が亡くなり、墓の名義変更に数十万要求されたり、兄弟が他の霊園に入ることになり墓を出ることを要求され区画を更地にするお金を要求されたりと、かなりシビアな住職がいるようです。・・・こんなことをされると疑問を持ってしまいますよね。
このような寺への不信が反映されているのか、2007年の日本消費者協会の葬儀についてのアンケートでは、依頼先として葬儀社が62%と圧倒的に多く、寺や神社といった宗教者への依頼は2%程度だったそうです。事前相談では、さらに顕著で、相談先は葬儀社・親族・インターネットがベスト3という風に、菩提寺の住職というパターンは、ほぼないようです。
今でも病院が紹介する葬儀社に頼む人は、それなりに多いのですが、インターネットの普及により、病院から携帯電話で直接いくつかの葬儀社をピックアップしてその中から選ぶ人が増えているそうです。
インターネットでは、葬式のプランが旅行商品のように扱われていますので、当然、価格に注目することが多く、やはりそこには宗教色は出てこないようです。このような背景を見ると、寺離れも、安価な直葬プランが増えていることも納得ですね。でも、やはりどこか気にかかるものがあるようで、直葬でも、火葬炉前で読経してもらうために僧侶の紹介を希望する人が半数くらいいるそうですよ。直葬は、無宗教でもそうでなくても良いのです。
ちなみに、直葬プランのサービス内容は様々ですが、安いものは、「位牌、遺体搬送料、ドライアイス、生花、人件費(火葬料は別途)」ということが多いようです。このプランは、数年前は安くて20万円程度かかっていたのが、最近では、9.8万円や12万円という金額の商品が出てきたそうです。
時代の背景もありますから、故人を思う気持ちまで省いてしまわないように気をつけられるのであれば、許容しなければならないことなのでしょうね。個人的には、面倒でも葬式を一通りこなすことでしっかりお別れができる気がしますので、しっかり式をあげたいと感じます。世代によって意見は異なるのでしょうね。